動くこと

いろいろなウェブサイトで体験談を見ていたので、手術翌日からは歩けるし食事もできるということは知識として頭に入っていました。

そうなんだー、すごいなー。わたしもできるのかなー。と、想像もつかない出来事。

手術後の自分がまったく想像つかなかったので、体が動くうちに行ける所は行っておきたいね!と旦那さんとディズニーランドへ行ったり温泉へ行ったりしながら、淡々と迎えた入院の日(手術前日)。

病院によっても、手術のスケジュールによっても、きっと本人の状態によっても、いろんなことが経験者の体験談やインターネットの情報とは違うんだろうなという気づきがたくさんありました。

[前知識]
●手術当日は経口補水ドリンクのみ。
●手術前に下剤を服用。
●手術直後は回復室で1晩過ごし、決められた時間に水が飲めるが食事無し。安静にしておく。翌日に病室に戻って起きて立てるか試みる。

[実際のわたしの体験]
●昼からの手術予定で水は当日の朝6時までOK。でも経口補水ドリンクの指示はなし。
●手術前の下剤なし。
●手術直後に病室に戻り、3時間後に水を飲んでもよし。気分が悪くなければ食事もよし。
●その時、起き上がれそうなら立ってトイレまで自力で行ければ尿道に通した管を抜いてしまう。

というような違いが。

さて手術直後。胸に胸帯を巻いて圧迫していたので深い呼吸はしにくいし、痛みもあるし(どこがどう痛いというのがその時点ではわからないくらい、自分がどんな状態なのかさえよくわからない)旦那さんに笑わせられて笑うのもくしゃみも咳も胸に響いて痛くて、だんだんなんとなく「こうしたらこのくらいここが痛いんだ」というのがわかってきました。

特に痛かったのが、手術直前に間違った腕に打たれた点滴の跡!(詳しくはまた後日。)術後の様子を見に来てくれた主治医に「どうですか」と聞かれた時に朦朧としながらも「先生!胸よりこっちの腕が痛いです!」と必死に訴えてたのだけは覚えてる。(あっさり「ああ、点滴が沁みちゃったんだね」で会話を打ち切られた・笑)

腹筋に力をかけないでする中途半端な笑い方がMTVのビーバス&バットヘッドに似ていて(知らないあなたはYouTubeでチェックだ!)まだ酸素マスクをしている状態だというのに旦那さんに「ほら、ビーバス。ハハ、ハハハ、ハハハハ。クール。」と真似したら大笑いして写真撮ってた。どんな夫婦だ。わたしが術後にビーバスの物まねをしていたことを旦那さんがお義母さんに伝えたら「さすが嫁だ」と笑っていたらしい。

手術後3時間くらいたって看護師さんが「そろそろ水を飲んでみましょうか。」とベッドの角度を上げたとたん、すごい汗が出て体が熱っぽくなり、吐き気がしたので、角度をもとに戻してもらいました。

全身麻酔が覚めたら吐き気がするかもしれないということは聞いており、その症状がまんまと出た感じ。時間をおいて2回試してもらったけど、やっぱり気分が悪くなって起き上がれず、その夜は立ち上がるのは断念しました。夕食もデザートのみかんを1つ口にしただけで終わり。

まさか手術直後に起こされて立てるか試すとは思ってなかったので、調べてあった情報との違いにまず驚き。でも、立って動いた方が循環が戻り、回復がいいのです。このことはどの先生も、看護師さんも言っていました。ヨガトレーニングでも習ったことだったので、さらに納得。

消灯時間になって寝ようとしても、なんだか浅い眠りがずっと続いているような、寝ていないような、よくわからない状態で手術翌日の朝を迎えました。

朝からまだ熱っぽかったので氷枕を交換してもらって頭を冷やし、寝返りも打てないからむずむずとお尻だけ左右に動かしたりしてなんとか腰への負担を減らそうと努力。ただ自分で電動ベッドを少しずつ起こそうとしても、貧血っぽくなってストップし様子を見る、という繰り返し。

そんなこんなで「わたしはちゃんと起きて立てるのだろうか」と放心状態なまま、回診に来た主治医にも「あらお昼ご飯食べられてないですね」と驚かれ「なんだか疲れちゃって。」と意味不明な応答をする始末。約3時間かかった手術翌日なんだからしかたないと言えばしかたない。「痛み止めをまだ飲んでないので痛くて動けないし。」とようやく”いま自分に何が必要なのか”ということに考えが及んで薬をリクエストしたら、「あれ、まだもらってない?じゃすぐに出してもらいます」と。ぬぬぬー、先生お願いしますー。

エコノミー症候群にならないように設置された足のマッサージ機が午後にははずされ、看護師さんに起こしてもらってというか強制的に起こされて(痛み止めを飲んでいなかたったのでいろんなところの激痛にイテイテ言いながらでしたが)フラフラながら立つことができ(どうやって立つのか、歩くのかすら思い出せないほどに体が動かなかったけど)トイレまでたどりつけたので、晴れて尿道につないであった管をはずしてもらうことができました。

その後、痛み止め(子どもでも飲める軽いもの)が処方されて飲んだらスーッと痛みが楽になってさらに動きやすくなり、呼吸もスムーズになり、ベッドの上で下半身を動かしたり、売店まで散歩に行ったり。動いたから食欲も出てきて食事もその夕飯からほとんど完食できるようになりました。

手術翌日には立って動けるようになるって、本当だった!わたしにもできた!

しばらく片腕しか使えない状態でしたが、着替えも食事も、なんでも慣れるものですね。順応性や工夫ということにまっさらな気持ちで向き合えたような気がします。

ということで、もともと歩くのは大好きなので、退院後も歩くことは今まで以上にしっかりと、旦那さんと多摩川沿いを長い距離お散歩しながら「こんなにまた歩ける日がすぐに来るなんて、人間の回復力ってすごいなー」と、ひとごとのようですが感慨深い毎日です。

こんなことなら、あんなに術後の状態におびえることなく、温泉もディズニーシー(今度は旦那がインディージョーンズに乗りたいと)もすぐにまた行けるよ!ってな感じです。まあそれもあとからわかったことだし、なんでも体験してみないとわからないから、その時その時に「こうしよう」と感じたことには素直に流れに身をまかせていくのはこれまでもこれからも変わらないかな。

もちろん回復スピードも感じかたも人それぞれ。ヨガと同じで誰かと比べることなく、いい悪いもないということですね。

大事なのは、動くこと。恐れずに無理のない範囲で体を動かすこと。すると心も動いて元気になれます。ヨガに限らずどんなことでもいいと思います。自分の好きな方法で、動くこと。そしてしっかり休むこと。笑うこと。食べること、それがすべての万能薬。

そして、どんな情報も参考程度にしておくこと。ジャッジしないこと。自分が体験して感じたことが一番の知識と智慧になります。不安になりすぎず、どんなことが起こっても大丈夫という気持ちの強さを保つことが大事。

「気持ちの強さ」のためにヨガと慣れ親しんでおくと、心と体の両面からとても役に立つとさらに実感しました。
 
 
 
 
 

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